店舗の閉店には何かとお金がかかります。
中でも大きな割合を占めるのが、不用品の処分にかかる費用です。
しかも、不用品の処分方法はいくつもあり、選択を間違えると余計に費用がかかったり処分に時間や手間がかかったりしてしまいます。
お店の閉店作業・店仕舞いは何も産み出すものではありませんから、できることならスピーディーに安く行いたいものですよね。
そこで今回は、店舗の閉店・店じまい時における不用品の処分方法について紹介します。
この記事を読むことでお店の閉店時に発生した不用品の処分方法が分かります。
手間や損を避けるためにも、正しい情報を把握しておきましょう。
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店舗閉店時に考えるべきこと
まずは店舗の閉店時に考えておくべきことについてご紹介します。
居抜きとスケルトンのどちらの形式にするか
「居抜き物件」とは設備や造作・什器(じゅうき)備品等が残っている物件のことをいいます。
「スケルトン」は借りる前の状態に原状回復した物件のことです。
当然、居抜き物件にしてもらう方が閉店費用を安く抑えられます。
しかし、通常、賃貸物件は原状回復が義務づけられているため、居抜きにするのは意外と大変です。
管理会社や大家と交渉して居抜き物件にしてもらいましょう。
一番簡単な方法は引き継ぐテナントを見つけておくことです。
事前にテナントが見つかっていれば、スムーズに居抜き物件にしてもらえるでしょう。
また、場合によっては管理会社や大家さんのほうから居抜きを持ちかけられることもあります。
不用品の処分について
スケルトンにしなければいけない場合は、大量に不用品が出てくるはずです。
店の不用品は粗大ゴミなどとして処分することができません。
詳しい処分方法については次の項目でご紹介します。
店舗閉店時の不用品の処分方法について
この項目では不用品の正しい処分方法をご紹介します。
自力で捨てる方法
自力で処分する場合は自治体を利用します。
しかし、家庭ゴミと違って事業系のゴミは通常の方法で回収してもらうことはできません。
自治体にもよりますが、受け入れてもらえる物ともらえない物がありますので、事前に確認が必要です。
業者へ依頼する方法
自力での処分が難しいようであれば、業者を利用するのも一つの手でしょう。
依頼先としては、産廃業者、リサイクル業者、不用品回収業者です。
現地にトラックで不用品を回収しに来てくれるのは同じですが、それぞれの業者によってサービス内容や料金設定、回収できる物が違ってきますので、事前に確認が必要です。
大きなものの処分や大量の処分が必要な場合に向いているので、閉店時に出た不用品の処分に最適です。
店舗閉店時における在庫品処分の方法について
この項目では在庫処分に関するアイデアをご紹介します。
最終処分セール
最もポピュラーなのは最終処分セールを開催する方法です。
最終処分セールでは、在庫の大幅な割引などの効果でお客が通常よりも多くなります。
在庫処分にはうってつけです。
ただし、客がいっぱい来るからといって、少しでも利益を出そうと割引の度合いを弱めてしまうと効果が薄いので気を付けてください。
一番問題なのは大量の在庫を抱えてしまうことです。在庫を抱えれば処分にもお金がかかってきますから、在庫を減らすことを第一に値段設定をしましょう。
インターネットで売却
たとえば、通販サイトなどに安く出品して売却する手もあります。
楽天やアマゾンなどの大手サイトなら目に付きやすいですし、在庫処分セールを併用することで、大量の注文が期待できるでしょう。
業者に売却
リサイクル業者や不用品買取業者に売却するのも一つの手です。
業者は一度に大量のものを引き取ってもらえるので、処分に適しています。
ただし、価値のないものは引き取ってもらえなかったり買いたたかれたりしてしまうので、その点については覚悟してください。
業者の選び方の注意点
商品を不当に安く買いたたかれたり、商品を受け取ったのにお金を振り込まなかったりするなどの金銭トラブルが起こることがあります。
業者に依頼する際には以下のようなポイントを押さえ、信頼できる業者を選びましょう。
- 古物商許可を得ているか
- ブログ・SNSなどでの評判はどうか
- 依頼時の対応はどうか
一番大切なのは古物商許可です。
中古品の売買を行うには古物商許可がないといけませんので、この許可なく中古品の買取をしようとする業者は違法業者ということになります。
古物商許可の有無は業者ホームページの会社概要や会社案内のページで確認してください。
なお、本物の古物商許可かどうかを調べる際には、併記されている古物商番号をインターネットで検索しましょう。番号が併記されていない場合はニセの許可の可能性があるので依頼しないでください。
ブログやSNSを運用しているかどうかも重要となります。
今は何かあればネットで炎上してしまう社会です。
評判の悪い業者はブログやSNSが炎上しているので、一つの指標となります。
また、ブログやSNSなどがない業者はすでに炎上を起こして閉鎖している、あるいはそれを見越して開設していないというケースもあります。
最後については、対応が良くて実はあまり良くない業者ということはあっても、対応が悪くて良い業者というケースはまずあり得ません。
良い業者を選ぶには、対応の良い業者であることが大前提ということになります。
店舗閉店時における不用品処分のQ&A
最後によく寄せられる質問とその回答をご紹介します。
Q.おすすめの処分方法は何でしょうか?
A.一番確実で早いのは不用品回収業者です。不用品回収業者は店まで出張回収しに来てくれますし、運搬や査定もその場でやってもらえます。そのため、一挙に処分ができる、スピーディーに閉店作業を行えるでしょう。
Q.閉店時に必要な手続きはどのようなものがありますか?
A.まず、税務署で「個人事業の廃業届出書」を提出してください。従業員を雇っていた場合は「給与支払事務所等の廃止届出書」も必要です。さらに、消費税の課税事業者であれば「消費税の事業廃止届出書」も併せて提出が必要となります。ほかにも、都道府県税事務所に廃業の届出も必要です。都道府県によって様式や提出期限などが異なるので、詳しくは都道府県税事務所にご相談ください。また、飲食店の場合は、開業時に保健所から受け取った「食品営業許可証」を返還し、代わりに「廃業届」の提出も必要です。お酒を扱っている店をたたむ際には、警察署に「酒類提供飲食店営業開始届出認定書」の返還と廃止届出書の提出も必要となります。
Q.不用品回収業者は深夜でも依頼可能ですか?
A.業者によって異なります。あまり対応可能な業者は多くはないので、ホームページの「よくある質問」などのページを確認してみましょう。また、夜間対応に関する表記がなくても、交渉すれば対応してくれる場合もあります。まずは相談してみましょう。
Q.業者見積もりは有料ですか?
A.業者にもよりますが、一般的に見積もりは無料で行っている業者が多いでしょう。詳しくは業者ホームページをご参照ください。
Q.不用品回収業者にキャンセル料はありますか?
A.業者の設定する期間内に通告すれば無料でキャンセルすることが可能です。ですが、当日にキャンセルする場合などにはキャンセル料が発生しす場合が多いです。
まとめ
今回は店舗の閉店時に知っておきたい、不用品の処分に関する情報をご紹介しました。
店舗を閉店する際には居抜きかスケルトンのどちらかで引き払うのが一般的です。
お得なのは処分費用のかからない居抜きの方ですが、交渉が失敗してしまうことも珍しくはありません。
スケルトンの場合には大量の不用品を処分しなければいけませんが、事業系ゴミは自力で処理施設に持ち込むか産廃業者などに依頼する必要があります。
自力での処分が難しいのであれば、不用品回収業者などをうまく利用して処分するようにしましょう。今回ご紹介した情報を参考に、ぜひスピーディーな閉店を実現させてください。