業務用冷蔵庫は、適切な処分方法が求められます。
とはいえ、どこへ依頼すればいいのか、費用はいくらぐらいかかるのかなど、分からないことが多いでしょう。
また、業務用冷蔵庫は中古ニーズがあるため、リサイクルも視野に入れておくことが大切です。
買取に関する知識も身につけておきましょう。
業務用冷蔵庫の処分を検討している方は、処分方法とそれぞれのメリット・デメリットを把握しておきましょう。
業務用冷蔵庫の処分に関する基本
業務用冷蔵庫の処分は、決まりごとがあります。
法律などについて見ていきましょう。
業務用冷蔵庫は家電リサイクル法の適応外
家庭用の冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビは、家電リサイクル法の対象品目となっています。
しかし、業務用冷蔵庫は家庭用とは異なり、「家電リサイクル法の適応外」となってしまいます。
産業廃棄物収集運搬業の許可を持った業者へ引き取りを依頼するのが基本です。
フロン排出抑制法(旧フロン回収・破壊法)について
「フロン回収・破壊法」は、環境保護を目的に施行された法律です。
オゾン層の破壊や地球温暖化を招くフロンを大気中にみだりに放出することを禁止し、機器の廃棄時における適正な回収及び破壊処理の実施等を義務づけた法律で、平成14年4月1日より施行されました。
その後、「フロン回収・破壊法」が平成25年6月12日に改正され、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)」と名称を改め、平成27年4月1日から全面施行されました。
使用している業務用冷凍空調機器すべてについて、点検整備記録簿をつけて管理しなければならなくなりました。
廃棄する場合も業務用冷蔵庫に使われているフロンガスを回収し、安全な状態にしてからスクラップなどにしなければなりません。フロンが大気中に漏れてしまうと、オゾン層が破壊されてしまうからです。
しかし、業務用冷蔵庫でも、ノンフロン冷媒のものは法律の対象外となります。
逆に、家庭で使用していてもフロンが使用された業務用冷蔵庫は、フロン回収を含めた適切な処置が必要なので注意しましょう。
フロンガスは「第一種フロン類充填回収業者」に依頼して回収してもらう必要があります。
産業廃棄物として廃棄すること
事業所や飲食店などで使用している冷蔵庫は、事業系ゴミに該当します。
そのため、業務用冷蔵庫は、「産業廃棄物」として処理する必要があるのです。
まず、「第一種フロン類充填回収業者」に依頼してフロンガスを回収してもらった後に、産業廃棄物収集運搬業の許可を持った業者に依頼し、適切に廃棄してもらいましょう。
業務用冷蔵庫の処分方法
業務用冷蔵庫の処分を依頼できる業者と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
産廃業者なら安心して依頼できる
産業廃棄物収集運搬業者の中でも、業務用冷蔵庫の廃棄を専門に扱う業者なら、フロンガスの回収もきちんと行ってくれるため、安心して依頼できるでしょう。
産業廃棄物として処理する場合、依頼時に委託証明書が発行されます。
フロン回収後に処分する場合、産業廃棄物管理表を受け取る必要があるのです。
業務用冷蔵庫の廃棄で重要な手続きなので、しっかり覚えておきましょう。
サイズによって回収費用に差はあります。
業務用冷蔵庫1台あたり、1万〜5万円ほどかかるでしょう。
厨房機器専門の買取業者
厨房機器専門の買取業者があります。
厨房機器買取業者は、中古業務用冷蔵庫をリユース・再販することで収益を得る仕組みを構築しているのが特徴です。
それほど古くなく動作が問題ない業務用冷蔵庫なら買い取ってもらえる可能性があるので、廃棄を検討する前に買取対象になるか問い合わせてみましょう。
厨房機器は大型重量物が多く回収に手間がかかるため、買取は製造から5年くらいまでの物が多くなっています。
7年落ちくらいの物でしたら無料で回収してもらえる可能性があります。
ただし、それ以上古い厨房機器は買取・回収できない場合が多いですので、別の方法で処分しなけれなばりません。
不用品回収業者
不用品回収業者は、出張訪問して回収するケースがほとんどです。
業務用冷蔵庫だけでなく、幅広い品目を取り扱っているため、他にも不用品がある場合は同時引き取りをしてもらえます。
ただし、出張費用がかかる場合があり、回収費用は大型商品ですと1点あた1万円~と高額なので、他の方法より割高になる可能性があるでしょう。
定額料金プランを利用すればお得に処分できる場合もあります。
ただ、業務用冷蔵庫などの業務用機器は扱っていない所も多いので確認してみましょう。
ホームページのメールフォームや電話で問い合わせること
業者に依頼する場合、業者のホームページにあるメールフォームや電話を利用しましょう。
業務用冷蔵庫の引き取りを行う業者は限られていますが、複数の業者を比較することが大切です。
業者は複数を比較してから決めること
産廃業者・買取業者・不用品回収業者と3つの選択肢があります。
それぞれメリットや回収にかかる費用が異なるため、複数の業者を比較し、信頼できる業者を探すことが大切です。少なくとも3社の見積もりを比較してください。